五臓の肝②

/ 東洋医学, 睡眠

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前回、東洋医学の五臓の一つ「肝」についてお話しました。
春は肝がよく働く季節ですが、実際どんな働きがあるか見てきましたね。
今回は肝と他の器官との関わりについて見ていきます。

各五臓は、それぞれが関わりの深い身体の器官が持っています。
それらの器官を「支配部位」という言葉を使って表すことがよくあります。
支配部位は、影響を受ける各五臓の状態によって大きな影響を受けてしまいます。
場合によっては、支配部位の器官がうまく働くことができなくなってしまうため、五臓の健康状態は非常に重要なのです。

逆を言えば、普段の健康管理において弱っている五臓の判別の手助けにもなります。


●肝の支配部位

肝の支配部位の代表的なものは「」、「」、「」です。
目や筋、爪の状態を見れば、肝の状態をある程度知ることができます

・目系

「開竅於目」(「黄帝内経素問」金匱真言論篇第四)
「肝気通于目肝和則目能辨五色矣」(「黄帝内経霊枢」脈度篇第十七)
「肝主目」(「黄帝内経素問」陰陽応象大論篇第五)

肝の気が流れる経絡(足厥陰肝経)は目系を通っています。
「目」でなく「目系」となっているのは、目自体だけではなく瞼(まぶた)や目の周りの筋肉や視神経、視力などの目の機能、見えているものから判断するという能力なども含めるためです。
経絡はその走行上にある器官を養っているため、目系は肝の経脈が肝の精気と血を送ることで養っています
目はすべての器官の中でも血を大量に消費することで有名な器官です。
肝からしっかりと血が送られていれば、はっきりと物が見え判別することができるのです。

つまり肝や足厥陰肝経の機能が低下すると、視力の低下や目の疾患(白内障、緑内障、目周囲の炎症等)を引き起こす可能性があります。
逆にそれらの疾患がある場合は、肝や肝の経脈に何らかの反応が出ることが多くなります。


・筋

「肝生筋」(「黄帝内経素問」陰陽応象大論篇第五)
「肝之合筋也」(「黄帝内経素問」五蔵生成篇第十)

目と同様に、筋肉も肝からの血によって養われています
肝の血が不足すると、筋肉が正常に伸び縮みができなくなってしまい、引き攣(つ)ったりうまく動かせなくなって痛みを伴ったりします。

つまり五十肩や多くの腰痛は、肝の血の影響を強く受けているということです。
他には婦人科疾患に関わる多くの臓器や器官も筋や血に関係していると考えられているため、婦人科疾患も肝の不調を考えられます。


・爪

「其華在爪」(「黄帝内経素問」六節蔵象論篇第九)

爪も肝の支配を受けていて、肝の異常は爪にも現れます。
肝の機能に異常が出て血の不足が起きると、爪がうまく養われなくなってしまいます
結果として爪が薄くなる、割れる、縦筋が目立つ等の異常が見られるようになります。



さて肝の支配部位について見てきました。
目は特に肝や血の影響が分かりやすく現れるため、目を酷使している現代社会では肝が非常に疲れやすくなっています
目を休めるだけでも肝の養生になるので、たまに目を閉じて休ませてあげてください。

次回は肝について少し補足と五臓六腑の六腑を紹介したいと思います。



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