筋肉痛は必要なの?
※当記事の内容、は当事者の許可を得て書いています。
先日施術後に、とある患者さんに「〇〇(運動方法)をやってください。その時△△を意識してやってください。」という運動指導を行いました。
その時にその方は「それだと筋肉痛にならなさそうですけど、いいのですか?」と仰られたので、私は「筋肉痛必要ですか?」と聞きました。
どうやら、筋肉痛が出ないと「しっかり運動した」という感覚がないのだそうです。
この方はとてもがんばり屋さんなので、何事もとことん頑張っちゃいます。
とてもいいことだと思いますが、やり過ぎは禁物です💧
実際、筋肉痛は必要なのでしょうか?
これの答えは「状況による」という答えになってしまいますが、症状改善を目的とするのであれば「必要ないことが圧倒的に多い」です。
●そもそも筋肉痛とは?
実は、筋肉痛の詳細なメカニズムはまだ解明されていません。
今のところ最も有力な説は、「運動のよって筋繊維に微細な損傷が発生し、その箇所を修復する過程で炎症反応が起こり、ブラジキニン等の発痛物質が生じることで筋肉痛が起きる」です。
簡単に言うと「運動したら筋肉がダメージを負うので痛くなる」現象です。
これらは基本的には「高負荷の運動」もしくは「持続的に一定以上の負荷をかけ続ける運動」で起こります。
ですが、例えば慢性的な腰痛を良くしたい方に、ウェイトトレーニングのような高負荷の運動は必要ありません。
むしろ腰痛を悪化させる可能性もあるため要注意です!
ちなみに筋肉痛には2種類のものがあります。
即発性筋肉痛と遅発性筋肉痛です。
皆さんが思い描いている筋肉痛は遅発性筋肉痛の方で、運動後数時間から数日後に発症するものです。
●筋肉痛と運動効果のギャップ
ただ「筋肉痛が起きるくらいの負荷をかけないと筋肉はつかないんじゃないの?」と思われる方も多いと思います。
そもそも症状改善を目的とするなら筋肉を付ける必要がない場合が多いのです。
それに、仮に筋肉をつける必要があったとしても、高負荷の運動をしたら必ず筋肉痛になるわけでもありません。
私は陸上短距離走(400m走)の選手をしているので、ほぼ毎日トレーニングをしていますが、筋肉痛にならない日も多いです。(もちろんケアはしているからということもありますが。)
まあ、ボディービルダーのような大きな筋肉をつけたいのであれば、筋肉痛が起きるまでしっかり追い込んだほうがいい場合も多いですが…そんな大きな筋肉必要でしょうか💧
●症状改善に必要なこと
「高負荷は必要ない」「筋力も無理につけなくていい」
では症状改善になぜ運動指導が必要なのでしょうか?
それは、運動することで「動かしていなかった筋を動かす」ことに意味があります。
たとえばデスクワークで座り姿勢が多い生活の方では、股関節から下の運動が少なくなってしまいます。
そうすると、大きく脚を上げる動きが少なくなってしまうため腸腰筋の活動が低下し、結果的に腰痛が起きることがあります。
この場合、腸腰筋の活動量を増やしてあげれば改善することも多くあります。
「どの筋肉を鍛えればよいか」よりも「どう動かせばよいか」のほうが大切なのです。
そのための運動指導が必要なのです。(指導というよりは提案に近いですが。)
少し余談ですが、私は大学生の頃アメリカで運動学を学んでいました。
留学当時、スポーツ選手のケアの現場にはいろんな人種の方々がいました。
その当時感じたことですが、日本を含めた東アジア圏の方は「痛みを耐えることに対して満足感を覚える」方が多いです。
運動やマッサージは特にその傾向がありました。
痛みを感じないと効果がないわけではありません。
と言いますか、筋肉痛が出るような高負荷の運動を毎日って、よほど固い意志がなければ続かないんですよね💧
必要なことを必要なだけ行えば問題ありません。
どのような運動をどの程度すればいいかって、その人によってかなり差があります。
この手の記事でも、「〇〇な運動をしましょう!」というのはよくあると思いますが、全員に当てはまると言い切れません。
「自分に合っているかどうか」は、やはり専門家に直接聞くことをお勧めします。
運動方法や養生方法など気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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