東洋医学の春と養生①

/ 健康, 東洋医学

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少しずつですが、冬の厳しい寒さも和らいできてますね。
今回から東洋医学での「春」について話していこうと思います。
東洋医学における春や春の過ごし方、養生方法についてお伝えできればと思います。
しっかりと理解して養生することで、春を元気に過ごすことができますよ!

また東洋医学では、前の季節の過ごし方が次の季節の体調に影響してきます。
梅雨や夏の時期に不調の出やすい方は、春の養生をしっかりしておくと楽に過ごせるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください!
1回目は東洋医学では「」という季節をどう考えているのかについてです。

春は、朝晩はまだまだ寒さが残っていますが、日中は少しずつ暖かくなって来る季節です。
暦上では立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)の前日までを春といいます。
そのため、暦の上ではもうすっかり春ということですが、現代の日本では3月から6月くらいまでを春と言っても問題ない気候ですね。


●春と陰陽

東洋医学では陰陽という考え方があり、陰の力が強い陰気と陽の力が強い陽気が循環していると考えています。

  • 陰気:冷やす力、一箇所に収める力、堅める力が強い
  • 陽気:温める力、発散して外に向かう力、動こうとする力が強い
    この陰気と陽気は、季節によって力関係が変わっていて、夏には陽気が強く、冬には陰気が強くなっています。
    一般的に暖かい季節には草木は生い茂り、寒い季節には葉を落としてエネルギーを使わないようにしますよね?

陽気が盛んになってくる季節で、植物は芽を出し、動物は冬眠から覚め動き始めます。
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人の身体も同じように、自然界の動きに同調して陽気が増えて活動的になていきます。
また、夏にかけて陽気が増え暖かくなることで、人体では冬の陰気で動きが緩慢だった気血がなめらかに流れるようになっていきます。
このとき気血は陽気の力で外に向かうので(この場合は皮膚表面ですね)、皮膚が緩み汗腺も活発になり汗が増えます。


●東洋医学と春

春は様々なものが生まれる季節です。
暖かくなって草木が芽吹き、成長を始めます。
これを昔の言葉では「発陳(はっちん)」と言います。
※「陳」は「古いもの、過去のもの」という意味。
発陳」は「冬の間に蓄え守っていた古いものを、春に発散させ新しいものを生まれさせる」という意味で、冬から春への移り変わりを表す言葉となっています。

五行では「」に配当され、人体では「」が木に配当されています。
なので、春には「木」の性質が強く反映される時期で、人体でも同様に「肝」の力が活発になってきます。
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」は、東洋医学において血の貯蔵庫としての働きがあります。
血は体を動かすための栄養で、車で例えるならガソリンのようなものです。
人は血を消費して身体を動かしたり、頭を使ったりと様々なことを行っています。
先程のとおり、春には身体も活発に活動するようになるので、血の消費も激しくなるため、「肝」がしっかりと血を蓄えておかないと動きたくてもエネルギー不足でうまく動けなかったり、考え事をしていても頭が回らなかったりということが起きてしまいます。



東洋医学の春は陽気と肝が鍵になってきそうですね!
次回は春に起こりやすい不調の特徴について話したいと思います。


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