東洋医学の春と養生②
引き続き東洋医学での春と春の養生法についてお話してきます。
前回は東洋医学的には「春」をどのように捉えるのかという概要に近い話でした。
今回は春に起こりやすい不調と、なぜ不調が起こるのかをお伝えしたいと思います。
原因を知ることは養生につながるので、ぜひ参考にしてみてください!
東洋医学では、季節によって陰陽や盛んに働く臓腑に変化が起こります。
その変化によって、身体に起こりやすい不調にも偏りが出てきます。
●春に起こりやすい不調
前回も触れましたが、春は冬から徐々に陽気が強くなってきています。
しかし、「陰」の強かった冬がようやく終わり、やっと「陽」が芽を出し始めたようなものなので、まだまだ「陽」が充分ではありません。
そのため、陽気本来の働きが充分にできないという結果になることがあります。
陽気は身体の内から外や上に向かって出ていこうとするのですが、陽気の発散する力が不十分だと、発散しきれなかった陽気が身体にいたるところに滞ってしまいます。
そうなると、本来は身体を温めてくれるはずの陽気が、滞ったことにり必要以上に局所を温めてしまい、それによって滞ったところに陽気にって発生した熱による症状が現れることが多くあります。
他には、春が配当される「木」の性質に「風」があります。
春一番など春には強い風が吹くことが多くありますよね?
風は様々なものを吹き上げ、後押ししてくれるものではあるのですが、強すぎたり吹く方向が悪ければ邪魔なことこの上なくなってしまいます。
この風が、炎をあおるように先程の滞った陽気をあおってしまい、身体の表面や上部に悪影響を出すことがよくあります。
結果として、のぼせ、ほてりと言った症状が現れることになってしまいます。
本来であれば、春は陽気が動き始め活発に活動ができるようになる季節なのですが、なぜその陽気が悪さをしてしまうのでしょうか?
最も大きな要因は冬の過ごし方です。
冬はもともと陽気が少ない時期で、また他の季節よりも陽気を消耗しやすい季節なので、あまり活発に活動し過ぎな方が良いと言われています。
自然界で動物が冬眠をするのも陽気を消費しないようにするためです。
ですが、しばらく寒い中で活発に活動したり、冷たいものを飲んだりして陽気を消耗するようなことを続けると、春に陽気が足りずにコントロールができなくなってしまいます。
結果として陽気がどんどん上昇していき、主に東洋医学で言うところの「のぼせ」という症状になります。
このとき陽気が鼻に滞るとアレルギー性鼻炎に、皮膚表面に滞るとアトピー性皮膚炎となって現れます。
他にも頭痛、ノイローゼ、自律神経失調症や抑うつ症状などが現れることもあります。
こういうときは対処療法的に、熱として滞った局所的な陽気を取り除くことで、一時的には症状を落ち着かせることはできます。
しかし、陽気をコントロールできなくしている原因を根本的に取り除かなければ、一時しのぎにしかならず、再燃してしまいます。
症状が強い場合は、個人での対処は難しいことが多く、専門家に相談した方が良いです。
さて、今回は春に起こりやすい不調をまとめてみました。
次回からは具体的な養生法(セルフケア)のお話していきます。
春ならではの気をつけることがあるので、ぜひ参考にしてみてください!
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