東洋医学と夏の養生⑤
東洋医学と夏の養生についての5回目です。
夏は意外と大事な季節なので長くなってしまいました。
最後は梅雨の過ごし方です。
関東も梅雨入りし、いよいよジメジメした季節に突入しそうですね。
この時期を元気に乗り切るために是非参考にしてみてください。
それでは早速!
●夏の養生法(セルフケア)後編
・梅雨の過ごし方
本来、食事で摂った水分は胃腸で吸収されます。
その後、津液となって身体をスムーズに巡ったあと、汗や尿として排出されます。
しかし、胃腸の調子が悪かったり、津液の巡りが悪かったりすると、身体の中に津液が滞ってしまうのです。
特に梅雨など湿気の多い時期には、体内の津液も巡りづらくなってしまい、むくみ、関節痛、喘息などの症状が現れることが多くなります。
また、梅雨と言っても蒸し暑いので冷房は使いますよね?
あまり冷房を効かせすぎると、身体に滞った津液が冷やされて上記の症状を悪化させてしまいます。
巡りが悪くなって滞った結果として不調が現れるのであれば、巡らせて体外に出してあげれば良さそうですね?
その対策としては、適度に身体を動かして津液の巡らせ、汗をかくことで溜まった津液を体外に出してあげましょう。
あまり強度の強い運動をする必要はありません。
先ほども言いましたが、朝夕など最も暑い時間を避けて時間帯に散歩をする程度で問題ありません。
また身体が冷えると津液の巡りは一気に悪くなってしまうため、できれば冷たいものは程々にしましょう。
・お腹を温める
お腹を下したり食欲がわかなかったりと、夏場の不調は冷たいものの摂りすぎで胃腸が弱っていることがほとんどです。
こういうときは暑くてもお腹を温めることが効果的なのです。
そういった症状がある方は、試しにお腹に手を当ててみてください。
当ててすぐは冷たさを感じないかもしれませんが、しばらく当てていると徐々に冷たさを感じてくると思います。
これは身体の芯が冷えている証拠なのです。
当院では、下痢、食欲不振、倦怠感などがある患者さんには、お腹に温かい程度のお灸を据えたりレンジで温めた小豆を乗せたりします。
小豆はご家庭でもできるものですし、使い捨てカイロでも代用できます。
お腹を温めると上記の症状にはとても効果的ですが、普段から継続して続けているととてもいい効果があるのです。
普段から慢性的な冷え性がある方や、もともと胃腸の弱い方、他には慢性的な腰痛や婦人科疾患などに困っている方は、絶対に日頃から温めてあげましょう。
続けると徐々に症状が和らいでいきますよ。
ただし低温やけどには注意してください。
・胃腸の疲れには足三里
古来より、足三里というツボは胃腸の疲れを取ってくれるツボとしてよく使われていました。
足三里の場所は、むこうずねの外側で、ひざのお皿の下のくぼみから指4本分下に下がったところです。
学生の頃に、松尾芭蕉の奥の細道で「足の三里に灸をすえて」という文を目にした方は多いのではないでしょうか?
長旅で疲れた身体にとって、食事は非常に重要だったのでしょう。
東洋医学と夏の養生については、今回で最後となります。
現代の夏は、暑すぎるために身体を冷やしすぎてしまいます。
秋や冬に何かしらの症状が出やすい方は、夏の過ごし方が非常に重要になってきます。
皆さんが、少しでも快適に楽しく過ごことができればと思います。
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