五臓の脾(ひ)②

/ 東洋医学, 健康

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前回、東洋医学の五臓の一つ「脾」についてお話しました。
脾の働きって本当に多かったですよね。
今回は脾と他の器官との関わりについて見ていきます。

各五臓は、それぞれが関わりの深い身体の器官が持っています。
それらの器官を支配部位という呼び方をすることがよくあります。
支配部位は、関連のある五臓の状態によって大きな影響を受けてしまいます
場合によっては、支配部位の器官がうまく働くことができなくなってしまうため、五臓の健康状態は非常に重要なのです。

逆を言えば、普段の健康管理において弱っている五臓の判別の手助けにもなります。
ちなみに脾の状態は、美容にも関わることが多いので参考にしてみてください!


●脾の支配部位

脾の支配部位の代表的なものは口唇肌肉四肢です。
口唇、肌肉、四肢の状態を見れば、脾の状態をある程度知ることができます。


・口唇

開竅於口
「黄帝内経素問」金匱真言論篇第四
其濁気出於胃 走脣舌而為味
「黄帝内経霊枢」邪気蔵府病形篇第四
脾気通于口 脾和則口能知五穀矣
「黄帝内経霊枢」脈度篇第十七

脾がしっかりしていれば、口や唇もしっかりと機能してくれます。
特に口は食べるときに最初に食べ物を迎える器官ですよね。
食事のときにしっかりと味を感じるのは脾のおかげなのです。
またしっかりと食べたものの栄養を吸収してくれるのも脾のおかげです。

脾は消化機能を主る蔵なので、その状態は口と唇に現れます。
脾が弱ってくると、口の周囲が黄色っぽくくすんできたり唇に艶がなくなったり、また唇が薄くなったりもします。
口周囲のくすみが気になる方は、胃腸が弱っている可能性がありそうですね。


・肌肉(きにく)

脾蔵肌肉之気也
「黄帝内経素問」平人気象論篇第十八
脾主身之肌肉
「黄帝内経素問」痿論篇第四十四

肌肉という言葉を聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか?
肌肉とは皮膚と筋肉の間にある全ての器官のことで、結合組織と言われます。
結合組織とは、その名の通りで皮膚と筋肉を繋ぐ(結合させる)組織の総称です。

脾が弱って肌肉が弱ってくると、皮膚の下の組織がスカスカになってしまうため、肌の弾力がなくなってしまったり、逆に突っ張ってしまったりしてします。
逆に、脾がちゃんと働いてくれていると、肌肉も密になってくれます。
肌肉がしっかりしていれば皮膚がたるまずしっかりと弾力をキープしてくれます

他には筋肉の動きをスムーズにして身体が動かしやすくなります。
これはキネシオテープ(茶色い伸縮性のあるテーピング用テープ)を使用したことがある方だとイメージしやすいかと思いますが、筋肉が動くときには必ず皮膚と連動して動きます。
そのため結合組織がしっかりとしている方が筋肉が動きやすくなるのです。


・四肢

今脾病不能為胃行其津液 四支不得稟水穀気
「黄帝内経素問」太陰陽明論篇第二十九

脾は消化機能を主っているため、弱ってくると手足の倦怠感が目立つようになります。
また手足が痩せてくることもあります。



脾の支配部位について話してきましたがいかがでしたか?
肌のくすみやたるみといった美容に関わることも多くかったですね。
脾は消化機能主るため、健康状態は非常に重要です。
全体の健康のため、美容のためにも脾の支配部位に目を向けてみてください。



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