五臓の肺①
今回から五臓六腑の肺のお話です。
10月に入ろうとして、朝晩は涼しいなと感じますが、昼間はまだ少し汗ばみますね。
少し早かもしれませんが、秋に活躍する肺の性質についてお話したいと思います。
8月の夏真っ盛りの頃よりかは、いくらか涼しくなったかなと思いますが、よく考えれば気温25℃は夏日なんですよね…
一昔前まで(おじさんぽい言い方ですね)は、9月は秋だったと思うのですが、最近の9月は夏ですね。
最近では短くなったとはいえ、秋には肺が大活躍します。
その肺の性質について見ていきましょう!
●肺の性質(前半)
・収斂(しゅうれん)
秋三月 此謂容平
「黄帝内経素問」四気調神大論篇第二
肺欲収
「黄帝内経素問」蔵気法時論篇第二十二
肺は五行では金の性質を持っていて、秋に活発になるため、肺の働きには収斂(しゅうれん)する作用があると言われています。
収斂とは取り入れる、収穫する、引き締める、縮むなどという性質のことです。
東洋医学において、秋とは全てのものが実り、葉は落ちて土に変える季節と考えています。
秋に起こるこの事象の性質を、五行論の五化(成長化収蔵)の「収」と言い、肺もこの力を持っています。
収は、作られたものを容器にしまい、なだらかにする働きです。
秋や夕方に現れる事象で、夏や昼間には活発になっていた身体や精神を一旦リセットして、冬や夜にゆっくり休めるような状態にしてくれます。
肺のお陰で、私達は冬に対応するための身体に変化したり、夜に眠られるように精神を落ち着けたりできるのです。
・気を蔵す
肺者 気之本
「黄帝内経素問」六節蔵象論篇第九
諸気者皆属於肺
「黄帝内経素問」五蔵生成篇第十
肺以行栄衛
「黄帝内経素問」平人気象論篇第十八
肺蔵気
「黄帝内経霊枢」本神篇第八
肺は鼻や口から天の気を体内に取り入れ、また衛気や営気、陰気や陽気といった種々の気を全身に巡らせています。
※天の気:現代科学で言うところの空気や酸素のようなものと考えられている
そのことから、肺は全身の気の循環を主っていると考えられています。
・魄(はく)を舎(やど)す
肺蔵魄
「黄帝内経素問」宣明五気篇第二十三
気舍魄
「黄帝内経霊枢」本神篇第八
魂魄(こんぱく)という言葉があるのですが、この二文字はどちらも魂(たましい)という意味があります。
この魂(たましい)とは人の肉体や精神を構成する要素のことです。
魂魄の魄とは、肉体を構成する要素のことで、同時に肉体的生命を主る活力とも考えられています。
肺が虚して力が弱まると、肺が舎している魄も不足してしまいます。
そうなると体つきが細く弱々しくなってしいます。
トレニーニングしてもなかなか筋肉がつかないという方は、肺が弱ってしまい魄が不足しているかもしれません。
さて、東洋医学の肺の性質(前半)いかがだったでしょうか?
どうも気との関わりが強いようですね。
以前に脾の記事を書いたのですが、1回が長すぎて読みづらくなってしまったので、肺は少し短い記事にします💧
次回は肺の性質(後半)をお送りするよ予定です。
読んでいただければ幸いです。
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