つい食べ過ぎちゃう。それ寝不足かも!?
鍼灸施術をしていると、食生活のことを伺う機会がよくあるのですが、比較的よく聞くのが「つい食べちゃうんです」という一言。
「気がついたら」や「なんとなく」でつい食べてしまう方って割と多いみたいです。
あまり結びつかないかもしれませんが、東洋医学では食べ過ぎは胃腸症状以外にも腰痛や肩こり、その他様々な体調不良にも関係すると考えています。
単純に太るということにも関わりますが、食生活は健康を保つうえで非常に大切なことです。
食べ過ぎになる原因は様々あるのですが、睡眠不足が原因で起きてしまうこともよくあるのです!
●食欲とホルモン
どうして睡眠不足になると食べ過ぎになってしまうのでしょうか?
私達の食欲には脳と複数のホルモンが関係しています。
食欲を抑えるホルモンはレプチンといって、肥満細胞から分泌されています。
ある程度食べ物を食べると、このレプチンが分泌されて食欲を抑えるように働きます。
またレプチンにはエネルギー消費を促進させる効果があり、体重を一定に保とうとする働きあります。
食欲を高めるホルモンはグレリンといって、胃から分泌されています。
グレリンが分泌されると、脳の視床下部に働きかけて食欲を強烈に更新させるだけでなく、エネルギー消費を抑えるように働くため、より体重増加に繋がりやすくなります。。
他にもグレリンには成長ホルモンの分泌促進作用もあるのですが、食欲の亢進との関係はないそうです。
●睡眠不足と食欲
では最初に出てきた、寝不足と食べ過ぎの関係ですが…
もうお分かりかもしれませんね。
睡眠はレプチンやグレリンの分泌と関係があります。
睡眠不足になるとレプチン(食欲抑制)の分泌は減り、グレリン(食欲促進)の分泌が増えるのです。
つまり食欲が増大してしまうのです!
●自分は睡眠不足なのか
さて、ここまで読んでいると「自分はしっかり眠っているので関係ない」と思う方もいるでしょう。
本当にそうでしょうか?
睡眠不足だと昼間に眠気が出たり、朝身体がダルかったりという事が多いのですが、これらの状態には慣れてしまうということが分かっています。
参考文献
Van Dongen, H. P. A., Maislin, G., Mullington, J. M., & Dinges, D. F. (2003).
The cumulative cost of additional wakefulness: Dose-response effects on neurobehavioral functions and sleep physiology from chronic sleep restriction and total sleep deprivation
2003年の英語の文献ですが、割と有名な文献です。
この文献には、睡眠不足に対する主観的な認識と実際のパフォーマンスが乖離していると記載されています。
もしかすると、気が付かないうちに睡眠不足になっているかもしれません。
さて、いかがだったでしょうか?
つい食べすぎてしまうことと睡眠不足には意外な関係性がありましたね。
食べ過ぎは胃腸だけでなく、肩や腰など一見関係ないようなことにも影響します。
食べすぎてないか、寝不足になっていないか、少し振り返ってみてもいいかもしれませんね。
東洋医学のこと、身体のケアのことで気になることがあればお問い合わせください。
問い合わせは電話、LINE、メールにて承っております。
電話:044-381-7827
LINE:LINEで問い合わせる
メール:メールで問い合わせる
※使用されている画像等の著作権は当院に帰属します。無断での利用はご遠慮ください。