五臓の肺②

/ 東洋医学, 健康

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今回は肺の性質の後半です!
前回とは少し違う肺の一面が見られるかもしれません。

●肺の性質(後半)

・水を巡らせる

至陰者盛水也 肺者太陰也 少陰者冬脈也 故其本在腎其末在肺皆積水也
「黄帝内経素問」水熱穴論篇第六十一

肺の力で、全身に気を巡らせることができます。
その過程で皮膚の腠理※1の開闔※2を調整しています。
※1腠理:気血津液が体内外を行き来するための通り道、汗腺も腠理の一つ
※2開闔:開閉とほぼ同義
腠理を適切に開け閉めできることで、体温の調節肌の状態の維持ができ、また病気の原因となり得る外邪の侵入を防ぐことができます。

肺は気を主るという話をしたと思いますが、津液とも関わりが深く、水の上限と言われています。
以前にお話した脾の作用で吸収した水分は、最終的には膀胱に送られて体外に排出されるのです。
その道中で、水分である津液をすべての五臓六腑や器官にまんべんなく行き渡らせる役目も担っています。
そのため肺の機能が落ちてくると、腠理の開闔を適切に行うことができなくなり、汗をうまくかけなくなります
また気の循環も緩慢になってしまうため、津液の循環も緩慢となりむくみが出たり、呼吸がしづらくなり苦しいという状態になったりします。

・相傅(そうふ)の官

肺者相傅之官治節出焉
「黄帝内経素問」霊蘭秘典論篇第八

肺は相傅の官という二つ名のようなものを持っています。
相傅とは何かを助けるという意味があります。

肺が助けているものは心です。
心には君火(くんか)という強い熱を持っています。
その君火は心を保護する心包に移ると相火(そうか)へと変化します。
この相火が人の体温になるのですが、相火だけでは全身を巡ることができないのです。
相火を全身に巡らせるために手助けをしているのが肺なのです。

・憂

在志為憂
「黄帝内経素問」陰陽応象大論篇第五

五行の考え方に五志というものがあります。
志はと感情のことで各五臓にそれぞれ影響を与えています。
肺の志はとなっています。
憂い悲しむという感情は、強い内向きの力でもあります。

この内向きの力は、収斂を必要とする肺の内向きの作用を表していることから肺の志として配当されています。

肺の機能が低下し、病的になると何事も憂い悲しみ愚痴が増えるなどの変化が見られるようになります。
これは、内に向かう力をあえて外に向けることで平常の状態に戻ろうとする働きから起こっています。



さて肺の性質について見てきましたが、脾や肝と同じくらい多かったですね。
それだけ五臓というものは、身体にとって重要で、健康を保つためには正常に動かなくてはなりません。
次回は肺と身体の各器官との関わりについて話していこうと思います。



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