東洋医学と夏の養生③
東洋医学の「夏」の第3弾です!
前回まで東洋医学では夏をどう考えているのかという概要的なことをやってきました。
書いていたら思いのほか多くなってしまったので、今回から数回に分けて夏のセルフケアについてお伝えしていきたいと思います。
今年も例年以上の暑さになるようですね…
例年ってなんでしょうか?…😅
夏に向けてのセルフケアは、もちろん暑さに負けない身体を作ることです。
また秋や冬を健康に過ごすための身体作りも目的の一つです。
それでは見ていきましょう!
●夏の養生法(セルフケア)前半
夏のセルフケアの大きな目的は、暑さでほてった身体を適度に冷やすことです。
この「適度」といことが非常に重要なのです。
そのために何をしたら良いのか、具体的に見ていきましょう。
・冷たいものは少なめに、温かいものはしっかりと
夏はジュースやアイス、かき氷が美味しくなってくる季節ですよね?
その暑さのせいで、どうしても冷たいものが欲しくなってしまいます。
もともと胃腸の強くない方だと、冷たいものを摂りすぎると後々ツラいことが分かっているので、控える方もいるとは思いますが、そうでない方は結構食べているのではないでしょうか?
胃腸の冷えは消化吸収機能を明らかに低下させてしまいます。
人は食べ物を消化吸収することで気血(エネルギーや栄養)を作っているので、その機能を維持することは、健康に過ごすうえで最も重要なことなのです。
しかし、近年の夏の暑さは異常です。
夏にはある程度身体を冷ますことも必要なので、「絶対に摂ってはいけない」ということではなく、「適度に摂る」のであればむしろ身体には良いのです。
できれば冷蔵庫から出してすぐの物はほどほどにして、氷入りのものは「たまに」程度が無難です。
一昔前は、夏は熱いものを食べるということをよく言っていました。
これは、身体を中から暖めることで、発汗を促すことで体表から体温を下げることが目的なのです。
身体としては、冷たいもので深部体温(内臓の温度)を急激に下げるよりは、汗で表面温度(体表の温度)を下げてあげた方が良いのです。
深部体温が下がりすぎると、発汗等の自然な体温低下機能を低下させて、体温の維持しようと働くためです。
これが続くと、熱いのに体温の調節ができない、いわゆる自律神経が乱れた状態になってしまいます。
特に小さなお子さんの場合は成長のために気血はとても大切なので、胃腸が冷えないよう気をつけてあげてください。
冷たいものを知ってしまうと止められなくなってしまうので、基本的には常温以上のものを上げてください。
もう一つ、気に留めておいてほしいことがあります。
よく夏場は「1日○リットル以上飲みましょう」ということを耳にしますが、これは注意が必要です。
ただでさえ暑さで胃腸がやられています。
水分のとりすぎも胃腸に負担をかけてしまうのですが、この時期はついガブガブと飲んでしまうことも多いかと思います。
水分はまとめて飲むと取り込んだ水分が代謝しきれずに渋滞を起こし、東洋医学で言うところの水滞や水毒という津液の滞りの状態を作ってしまいます。
津液の滞りはむくみや冷え、またそれに伴う症状を引き起こす恐れが多く、できれば避けたいところです。
そのため、30分~1時間くらいに一口程度のほうが、吸収もしやすく水分の代謝も効率的にできます。
人間は恒温動物(体温を一定に保つ機能を持った動物)なので体温の低下はいつ何時でも良くはないということのようですね。
かと言って、熱中症等には気をつけなければならないので、冷たい食べ物や飲み物や程々にしましょう。
次回は夏に食べたい野菜の話です。
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