五臓の腎②

/ 東洋医学, 健康

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今回は腎の性質(後半)です!
腎は骨格や精神の成長に関わっているみたいでしたね。
前回とは少し違う腎の一面が見られるかもしれません。

●腎の性質(後半)

・津液を主る

腎者水蔵主津液
「黄帝内経素問」逆調論篇第三十四
腎者水蔵也
「黄帝内経素問」痿論篇第四十四

津液とは身体の中にある血以外の水分のことで、サラッとしている津とネバネバした液に分けられます。
詳しくはこちらも御覧ください

ただの水じゃない?東洋医学の『津液』(前)
ただの水じゃない?東洋医学の『津液』(後)

腎は津と液を溜め込んでどの程度身体に巡らせるかの調整をしています。
腎が弱っていると、津液が想定しないところへ送られたり不要な場所に必要以上に溜まったりします。

具体的にどのようなことが起きるのでしょうか?
津液の働きの一つに、熱を冷ますというものがあります。
水は火を消して熱を冷ます作用があると言われるとなんとなくイメージがつきやすいかと思います。
更に水が冷えると凍って固まってしまいますよね。
同じように津液が多すぎると身体を冷やし、筋肉や関節が固まってしまいます。
そのため、腎が弱っていると冷え性や実際に身体冷えてしまったり関節が動かしづらくなったりします。


・恐

在志為恐
「黄帝内経素問」陰陽応象大論篇第五

五行の考え方に志というものがあります。
志はと感情のことで各五臓にそれぞれ影響を与えています。
腎の志は恐となっています。
恐れと聞くと、ビクビクとし竦(すく)んで縮こまっているような印象を受けますよね?
五志の恐もその性質と同じように、消極的であまり動かず静かに沈んでいるという意味があるそうです。

腎が主に津液を扱う臓と考えると、身体の水分を消耗しすぎないように安静にしている陰の力の強い臓と考えることもできるでしょうか。

腎が弱っていると、その志に恐れが配当されているように、ちょっとしたことで驚いたり、ビクビクしたりといったような状態になりやすいです。
また腎の成長が十分でない子どもが怖がりやすいのもこれが原因です。


・腎と相火

清陽為天濁陰為地 地気上為雲天気下為雨 雨出地気 雲出天気
「黄帝内経素問」陰陽応象大論篇第五

腎は全身の津液を主に扱っていることから、陰の中でも特に陰の性質が強い臓と考えられています。
しかし、陰陽論という考えから全てのものには陰と陽の両方の性質が備わっているはずです。
腎には自ら陽の力を持ったものを作ることはできません
代わりに、心包から相火という陽の力を持った気を受け取って使用しています。
相火が腎にたどり着くと命門の陽気と名前を変えて活動を始めます。
命門、つまり命の門と言われるほど重要なものなのです。

腎の上には消化器の脾胃があると言われているのですが、この脾胃はコンロと鍋の役割を担っています。
食べたものを鍋で煮込むことで消化しているというイメージです。
このコンロの炎が、腎に入ってきた相火なのです。
腎がしっかりと相火を保持できていれば、脾胃もちゃんと仕事をすることができ、気血津液をちゃんと作ることができます。

このように身体の上の方(陽)にある心包と下の方(陰)にある腎がうまく交流することで、人体の生命活動は保たれています。



さて腎の性質について見てきましたが、他の臓と同じで多いですね。
それだけ五臓というものは、身体にとって重要で、健康を保つためには正常に動かなくてはなりません。
次回は腎と身体の各器官との関わりについて話していこうと思います。



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