七草粥と東洋医学
明けましておめでとうございます!
年が明け1週間経ち、日常に戻ってきましたね。
皆さんは春の七草をご存知でしょうか?
1月7日は七草粥を食べる日ですね。
私の実家では、毎年近所に生えている七草を摘み、お粥に入れて食べていました。
最近では、スーパーでも七草セットを売っているところを見かけることが増えましたね。
ただ、七草について文化としては知っているけど、どういったものかはよく知らないという方って多いのではないでしょうか?
そんな七草と七草粥についてお話していきたいと思います。
●七草の種類
春の七草は、その名の通り7種類の野草のことです。
覚えてますか?
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)の7種類が春の七草です。
ちなみにこの7種類は現代では固定されていますが、七草粥が庶民の文化として定着する以前は時代や地域によって定まっていなかったようです。
●七草粥の起源
七草粥の起源は古代中国の人日(じんじつ)という風習に由来します。
人日とは、旧暦の1月7日に薬草や特定の効能のある野草を食べることで、その年の健康を祈るというものです。
諸説ありますが、日本には奈良時代に伝わり、宮廷文化の中で定着していきました。
その後、平安時代には貴族の間で、室町時代から江戸時代にかけて庶民の文化として広がっていったようです。
また、江戸時代に幕府が五節句の一つとして人日の節句を制度化したことで、七草粥が正月行事の一環として確立したと言われています。
そして現代で春の七草として知られる7種類の組み合わせが一般的に定まったものこの頃と言われています。
●七草粥を食べる意味
健康祈願の意味合いで人日の風習から現代にいたることは分かったのですが、そもそもどうして七草を食べるようになったのでしょうか?
当時の冬は今ほど食べ物に恵まれていませんでした。
そのため不足しがちなビタミンやミネラルを補給するため、とても貴重な食料だったのでしょう。
ただし、その時代にはビタミンやミネラルといった概念は存在しないため、東洋医学的に捉えていたと考えられます。
●七草(粥)と東洋医学
では七草の東洋医学での効能をお話したいと思います。
・セリ
肝の機能を高め、気の流れをスムーズにして気滞を改善する。
腎の働きを助け、余分な水分を排出する。
・ナズナ
血の巡りをスムーズにして肝をサポートする。
脾の機能を高め、消化吸収を助ける。
・ゴギョウ
肺を乾燥から守り、咳や痰を止める。
肺をサポートして、お肌の状態を整える。
・ハコベラ
腎の働きを助け、余分な水分を排出する。
気血の流れをスムーズにして、肝の働きをサポートする。
・ホトケノザ
胃を丈夫にし、脾の消化吸収を働きを助ける。
心を安定させ、精神的ストレスを緩和する。
・スズナ(カブ)
脾を補い、消化吸収を促進させる。
肺を助けて、喉の調子を調える。
・スズシロ(ダイコン)
脾を補い、消化吸収を促進させる。
肺を乾燥から守り、咳や痰を止める。
七草を食べるだけでも五臓すべてを助け、各五臓のバランスを取ることができますね。
またお粥として食べることで、消化吸収がよく効率的に栄養を取り込むことができます。
さて七草粥と東洋医学の関係を見てきました。
伝統文化として季節を楽しむということだけでなく、東洋医学的にみても健康増進に効果があり、古くから親しまれる理由が能く分かりますね。
ぜひ今年は七草粥を召し上がってみてください。
当院では、経絡を用いた全身調整の鍼灸施術で自律神経を調整し、快適に過ごすお手伝いをさせていただきます。
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